朝、ごはんを食べる時間がない。
ごはんを食べるより寝ていたい。
食欲が沸かない。
ついつい朝食を抜いてしまうことはないですか?
実は、朝食欠食には様々な悪影響が潜んでいます。
・冷え性
・イライラする
・だるさや疲れが取れない
・集中力がない
・肥満が気になる
・夜になかなか寝付けない
〇体温
朝食を食べることによって、午前中の体温が上昇した状態を維持できます。
消化管は筋肉でできているため、朝食を食べると消化管が熱運動をはじめるのです。
朝食欠食の場合は、通学や通勤の歩行などによる筋運動から得られる熱で一時的に体温の上昇がありますが、午前中、その体温を維持するエネルギーや栄養素が不足しているため体温を維持することができません。
食事をした後、
安静にしていても代謝量が増大することを
食事誘発性熱産生(DIT)と言います。
加齢や運動不足で筋肉が衰えると、
基礎代謝と食事誘発性熱産生どちらも低下します。
しかし、トレーニングで筋肉を増やすと
食事誘発性熱産生は高くなるとされています。

また、食事のとり方としてよく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなり、
満腹感が生じることで食べ過ぎを防ぐことができます。
〇便秘の予防
朝食を食べることにより、排便のリズムが作られます。
胃の中に食べ物が入ってくるとその信号を受けて大腸がぜん動運動を起こし、
便をS字結腸から直腸へ送り出しています。
朝食を食べることが、便秘改善になる可能性があります。
〇肥満/脂質異常症の予防
朝食を欠食して1日の食事回数が減る

肝臓での中性脂肪やコレステロール合成が増大
体脂肪の蓄積が増加し、血清コレステロールや中性脂肪が高くなる
〇自殺リスクの予防
血清総コレステロールの高値は
女性の自殺リスクと関連があることが統計科学的に明らかになっています。
血清総コレステロールが『180-220㎎/dl』と比較して、
『220㎎/dl以上』は自殺リスクが1.9倍高いことが報告されています。
一方、男性では、
血清総コレステロールと自殺との間に統計学的有意な関連性は認められませんでした。
食事回数が減ることで、血清コレステロールが高くなります。
朝食を食べて、
食事回数を減らさないことが最終的に自殺リスクをさげることにも繋がっていきますね。
〇イライラを防止して集中力を高める
晩ご飯で摂取したブドウ糖を使って、夜中も脳が動いています。
そうすると、朝の脳はエネルギー不足状態のため、
しっかり朝食を摂らないと集中力が高まらず、イライラが続いてしまいます。
ブドウ糖をしっかり補充することで集中力を高めていくことができます。
『ごはん食』はゆっくりと消化・吸収され、なだらかに血糖値を上げて、長時間維持します。
おすすめ食材:おかか、卵かけご飯
〇だるさ、疲労感の防止
朝食欠食は、脳だけではなく体もエネルギー不足のために、体が重く、疲労感が残ってしまいます。
代謝を促進するビタミンB群と疲労回復に効果的な酸味のあるものを合わせて摂ることがおすすめです。
おすすめ食材:豚肉やハム、納豆、梅干しや酢の物、フルーツ
〇朝食の時間帯
朝食は約3時間で消化されます。
昼食を12時くらいに摂るとすれば、
その3時間前の朝9時までにごはんを食べると、良い間隔でブドウ糖が補給できます。
なので、朝起きてすぐに食べなくてはいけないと思わなくて良いのです。
朝食を少量でも簡単に食べてみることから心掛けてみてはいかがでしょうか。
食べたいけれど、胃痛や食欲不振などで お困りの方
当院窓口までご連絡ください
〈引用・参照〉 食事誘発性熱産生│e-ヘルスネット(厚生労働省)、生活リズムの確立と朝食(食事)/文部科学省、朝ごはんを食べないと?/農林水産省、朝食は9時までに!/農林水産省、血清、血清総コレステロールと自殺との関連について│国立研究開発法人 国立がん研究センター